例のウイルス騒動によって、普段マスクをしていなかった人もマスクを付けるのが日常になりましたよね。
そんなマスク時代で、肌トラブルが出てきたという人が増えているのをご存知でしょうか?
世間では「マスク皮膚炎」とも呼ばれているようです。
私もマスク皮膚炎になりました!
マスクが触れている部分に
赤み・かゆみが出たことがある。
僕の職場でも、マスク皮膚炎に悩まされている職員がいるよ〜。
私が勤務している薬局の近くにも皮膚科があるため、このような悩みを抱えた患者さんが急増しているのを実感しています。
今回は、そんなマスク皮膚炎への対策やスキンケア方法について解説します!
なぜマスク皮膚炎が起きるのか?
元々花粉症やアレルギー持ちであったり、冬の乾燥した季節や風邪のときだけ着用するという人が多かったマスクですが、どうしてマスク皮膚炎が起きるのでしょうか?
それはマスクの着用時間が関係しているとされています。
屋外でのマスク着用に関しては規制が弱くなったものの、屋内にいるときは今でもマスクの着用を義務付けられているところが多いですよね。
マスクの着用時間が長時間になると、マスクの下の皮膚が蒸れてオムツをつけているのと同じような状況となります。
マスクの中って、オムツの中と同じ状態!?
一日中マスクをしていると、皮膚表面から皮脂がマスクに吸着されてしまい、皮膚のバリア機能が低下の原因にもなるようです。
また、マスクをつけたまま会話することによって、マスクが動いて皮膚と摩擦が起こり、皮膚炎へとつながってしまいます。
マスク皮膚炎を起こしやすい人の特徴
マスク皮膚炎を起こしやすい人には、どのような特徴があるのでしょうか?
乾燥肌やアトピー性皮膚炎、ざ瘡(ニキビ)などの基礎疾患がある人は、マスク皮膚炎を引き起こす可能性が高くなるため、特に注意が必要なようです。
お肌が弱い人は、
普段からのスキンケア対策が重要。
ニキビの原因のアクネ菌は、嫌気性菌とも呼ばれていて、空気が薄い環境を好みます。
マスクをしていると息がこもって、空気が薄い状態に。
マスクの中は、アクネ菌が増えやすくなって、ニキビの悪化につながることも。
マスク皮膚炎への対策・治療
蒸れや摩擦によって生じるマスク皮膚炎。
では、そんなマスク皮膚炎に対して、私たちはどういった対策をすれば良いのでしょうか?
対策・治療について解説していきます。
自分に合うマスクを選ぶ
みなさんは、どういった種類のマスクを使っていますか?
最近では、選ぶのが難しいくらい、マスクの種類が豊富になりましたよね。
大きな分類では、不織布マスク(サージカルマスク)と布マスクの2種類があります。
不織布マスク(サージカルマスク)は感染防御の点からは最も良いとされていますが、直接長時間使用すると皮膚炎を起こしやすいというデメリットがあります。
感染を防ぐ | 刺激 | 再利用 | |
布 | △ | 弱い | 洗えば◯ |
不織布 | ◯ | 強い | × |
そのため皮膚炎を起こしやすいという人は、不織布マスク(サージカルマスク)を直接つけるのではなく、不織布マスク(サージカルマスク)と皮膚の間に柔らかい布製のインナーを挟むと刺激を抑えることができます。
または、布製のマスクの上から不織布マスク(サージカルマスク)を着用するという方法でも対応できます。
また、マスクのサイズも必ず自分の顔の大きさに合ったものを使うことが重要です。
大きすぎても小さすぎても摩擦が起きてしまうため、必ず自分の顔の大きさにフィットするサイズのマスクを着用するようにしましょう!
形は平面よりも、立体構造になっているマスクの方が、顔にフィットしやすいです。
マスクは衛生的に使う
マスクは綺麗に見えても、同じマスクを1日使っていると、自分の皮膚や口の中の菌が付いています。
菌が繁殖して皮膚炎の原因になることも。
一日使ったマスクは、
必ず取り替えましょう。
不織布マスク(サージカルマスク)は使い捨てで、衛生的に使用しましょう。
布マスクはよく洗うことで、くりかえし使えますが、洗濯洗剤の界面活性剤が布マスクの生地に残っていると、皮膚炎の原因になることも。
布マスクは、他の洗濯物よりすすぎをしっかり行う必要があります。
もし、布マスクを手洗いしているのなら、固形の洗顔用の石鹸で丁寧に洗って、よくすすぎ、しっかりと乾かすという方法がおすすめです。
布マスクの洗濯に
洗顔用の固形石鹸を使うのもGood!
マスクを外す時間を作る・外したときも保湿
マスクをつけている時間が長くなるほど、お肌が蒸れてしまいます。
なるべく長時間つけっぱなしにしないで、外せるときはマスクを外してお肌を休めましょう。
お手洗いや休憩中などは、
マスクを外しています。
私はマスクを外したときに、ミストタイプの保湿剤で潤いを補ってあげるようにしています。
蒸れた状態から、一気に乾燥してしまうのを防ぐためです。
ミストタイプの保湿剤だと、お化粧も崩れにくく、外出先でも使いやすいです。
マスク皮膚炎のスキンケア・治療の方法
マスク皮膚炎が起こっているときは、とにかく刺激を除くことが大切です。
洗顔料はなるべく刺激の少ないものを選んで、泡で擦らずやさしく顔を洗った後、必ず保湿剤使いましょう!
ワセリンやクリームで肌を守ろう
湿疹がある場合は皮膚科を受診し、適切な治療薬(副腎皮質ステロイド軟膏や免疫抑制剤の軟膏など)を処方してもらい治療することが大事です。
そのまま皮膚炎を放置してしまうと、慢性化して色素沈着となったり、ザラザラした状態の皮膚になってしまうため、皮膚炎が悪化する前に、早めに医療機関を受診しましょう。
まとめ
マスクと上手に付き合って、
皮膚炎を予防していこう!
参考図書:薬局 2022年 5月号 皮膚を整える。
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